ネコジャラシの主張

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手前のネコジャラシから、こんな声が聞こえてきました。

 「オイ!そこのしょぼくれてる人間、たまには俺を見てみろよ。
  これでもなぁ、 知らないうちに、ちゃーんと、
  お前らの目の端に、いつも映ってんだぞ。
  向こうに黄色いのがいるだろー。 あいつらだってそうだ。
  結局、誰も何も気がついてないけどな、秋だって教えてんだぞ」。

なるほど。さらに彼は続けます。

 「これでもなぁ。 俺一本だけで、数千の種を守ってんだぞぉー。 
  よーく見ろぉー」。

おっ本当だ。

 「本当だじゃねーよ。 いいかー。 
  地面から、出来るだけ水や養分を吸うんだぁ。
  それからなぁ、少しずつ、少しずつ、子供の種たちに与えるんだぁ。
  一気に上げてみろ、腹壊して みーんな地面に旅立てなくなるんだぁ」。

おぉそうか。なるほど。

 「いいかぁ、道楽でやってんじゃねぇぞぉ。
  俺の子供たちのために命がけで生きてんだぁ。
  だから自分の時間がどうとか、
  自由がほしいとか、夢を追いかけるほうがカッコいいとか、
  そんな道楽で生きてるやつなんかにゃ、絶対に負けねぇんだよ。
  いちいちしょぼくれてる暇はねぇんだよ」。

う、うん。

 「人間や犬に踏まれたってなぁ。
  どんなに低く、垂れ下がってもだ、
  俺は胸張って、誇らしくネコジャラシやってんだよ。
  わかったか、わかったらもういいよ、行っていいぞぉ」。

・・・・・
なんか勇気が出てきそうです。
きっとこう言うんでしょうね。
 「バーカ、ネコジャラシで盛り上がれるなんて安いやつだなぁ」。
そのとおりです。

by brizu | 2005-10-18 13:16 | 野草  

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