ミニミニストーリー外伝1・・・・妖怪「震々(ぶるぶる)」

前解説
はい、こんにちは
今回は視点をかえて、いつものシリーズではなく、
外伝ということで、書きたいと思います。
それは、「妖怪側から見たらどうなのか」ということです。
で、まずは、わりとポピュラーだけど、
忘れられている妖怪「震々(ぶるぶる)」の登場です。

今回も怖くありません。まったく怖くありません
では後ほどまた、お会いしましょう

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妖怪「震々(ぶるぶる)」は思っていた。
自分が何者なのかを・・。
何故ここにいるのかを・・。
そもそも、いつ自分が生まれたのかがわからない。
自分の父母をしらない。

気がつくと、なぜかそこにいたのだ。
暗闇や、空気がよどんでいる所に人が来ると、
そこに自分は、いた
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で、人の後ろで背中を少しだけなでる。
人は、背中を少しだけ動かす。

その動かす感覚がソーッとするとか、
ゾワゾワしたとかいうらしい。
最近の人は「ブルッた」などともいう。
つまりはブルブルするところから、
自分の名前は「震々(ブルブル)」と、付けられたらしい。
だが、人は振り返って、自分の顔を見てくれるわけではない。
「ブルブルー」と呼んでくれる事もない。
ならば、なぜ自分は人の背中を触っているのか?

他にわかんないのは、そういう「ぶるぶる」する感覚は
必ず一人じゃないということだ。
大量にいるらしい人間が、同じ時間にぶるぶる
する事だってあるはずだ。
ということは、自分は何人もいるのか?
もしくはどこにでもいるのか?

つい最近のことだが、以前からしっていた「釣瓶火(つるべび)」
と呼ばれる火の爺さんが、忽然と消えてしまった。
「釣瓶」というものが、今の人の住む家にはないらしい。
なければ消えるしかないということだ。

だから、うすうす、
人がいなければ自分はそこに呼ばれないし、
存在することもない、ということは感じていた。
それどころか、ブルっとするわずか、1,2秒しか
自分はその場に存在しないらしいのだ。

いつか自分も消えるのか。
何することもなく、ただ人の背中をなでて・・
でも、それだけなら、なんでそこにいるのかがわからない。

あっ自分が消えていく。
消え・・
フッ。

また気がつくと、今度は
子供の後ろにいた。
少し暗めの学校のトイレの中だ。

さっき、確か自分は何かを考えていたはずだ。
どこにいたのかは覚えていないが、誰かをさわったような気もする。
だがそのことは今度は気にならなかった。
背中を軽くなでる。
子供が、少し動いた。
そして自分がきえていく。
消える瞬間、さっき思っていたことを思い出していた。

自分は消える。だがすぐどこかに表れる。
なぜか?
ただ「ブルッ」とさせる。
そのために現れる

ブルッとすることで、人は少しだけ緊張から解けるらしい。
ということは、緊張をほぐすという役割をもらっているのだ。

そう、悟った瞬間、「震々」は満足した。
「それで、いい」と・・。
そして、また、消えた。

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後解説
はい、またお会いしましたね。
エー実は随分はしょりました。
もっと長かったんですが、よけいわかりにくくなっちゃって。

で、ブルッとくる瞬間ってありますよね。
あれは、脳というか体の緊張をほぐす役割を持っているらしいんですね。
怖かったり、何かを感じたりすると、脳や体が緊張するんですね。
でも、人間は動く動物ですから、動かなくてはならない。
そこで、ブルっとさせて、動ける状態にするらしいんです。
怖いのがとれるとか、感じなくなるとか言うことじゃないですよ、
とりあえず、動ける状態にするんですね。

ということは、この「震々」は大事な役割を持っていることに
なりますね。
なので、自分は何者か?、何故いるのか?ということに
答えは出ないけど、役割を持っているということ、
そこに満足してまた次のところにいったんです。

ね、妖怪はこわいだけじゃないでしょ。
ちゃーんと意味をもっていたりするのです。
長いのを読んでくださって、ありがとうございます。^o^

   *)絵は鳥山石燕 百鬼夜行図より

by brizu | 2006-05-31 16:25 | 妖怪  

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